「CAGEDシステム」CAGEDシステムについて

ギター
By: keith ellwood

音楽理論って、物凄く多岐に渡るジャンルがあり一体どれを勉強したらいいのか。
調べようと思ってインターネットで検索してみたら「音楽理論なんかいらない」とかまで言われ一体どうしたらいいんだ・・・
と思ってる人はいませんか?

音楽理論はいる・いらないの話題はいつの時代も絶えることはなく、ほぼ必ずと言っていいほど荒れるのでしませんが、
今回から何度かに分けて紹介するのは音楽理論、中でもギターに特化した理論(というか考え方というか)なので
「理論を学びたい!」という方はぜひ読んでみてほしいと思います。絶対知っていて損はない理論です。

コードとスケールの覚え方

wal_172619 / Pixabay

みなさんはどうやってコードやスケールの押さえ方を覚えていますか?
基本的な「C」とか「G」とかは覚えているとはいえ、ふと「あれ、このコードどう押さえるんだっけ?」とか思うことありませんか?
また、作曲するくらいになれば、ちょっとボイシング変えたいなとかハイポジションで弾きたいなとか思うこともあると思います。
1フレットから5フレットあたりを使って押さえる基本的なコードの押さえ方は分かるものの、ハイポジションまで分からない人も多いかと思います。

逆に、なんとなく「2弦3フレット、3弦4フレット、5弦5フレット・・・」などと覚えて押さえてるものの「これなんのコードなんだ・・?」という人もいます。
コード表やスケール表を見てみてもランダムにごちゃごちゃと並んでいて覚えるのは大変・・・

コードは何種類あるか?

まずはスケールのことは一旦置いておいてコードから学んでいきましょう。
ではコードは何種類あるでしょう。先ほどいったハイポジションも含めてです。
100個でしょうか。いやそんなわけ無いですね。200個か300個か・・もしかしたら1000個超えるかもしれません。

では答えです。
5個です。

そんなわけ無いだろう。そもそもメジャーだけで7つ、シャープやフラットを入れたら12個あるぞと笑っていませんか?
いや、本当に5個です。

正確に言えば数え切れないほどのコードがあります。テンションコードやオンコードなんかもいれたらすごい数になるでしょう。
その無限にあるコード、全てか元々は5つのコードの派生なのです。

そうそのコードこそが「C」「A」「G」「E」「D」の5つ。ギターを学んでいる人ならば初歩の初歩で習うコードです。
この世に存在するコードはこのCAGEDのコードの派生である。そしてその考え方を「CAGEDシステム」と言います。

CAGEDシステム

いきなり「全てのコードがCAGEDから出来ている」と言われてもさっぱり分からないと思います。
だったまず「F」や「B」なんかはどうなんだと言いたい気持ちもわかります。

このCAGEDシステムの要は「指板上にどうやって音が並んでいるか」がキーになっています。
ゆっくりと勉強していくことにしましょう。

まずは念のためにCAGEDのコードをさらっとおさらいして見ます。

Cコード

 

 

 

 

Aコード

 

 

 

Gコード

 

 

 

 

 

Eコード

Dコード

 

 

 

 

 

ここでちょっといつもと違うところがあるかと思います。
通常押さえなくていい、開放弦のところにまで丸印が付いてますね。
また、赤い丸印もあります。

これはどういうことかというと、開放弦は押さえなくていいのではなく「ギターのナットが押さえてくれている」と考えてください。
ナットが押さえてくれているのであれば、ナットがなくなった場合にはもちろん押さえる必要があります。

また、赤い丸印は「ルート」になります。Cコードならド、Gコードならソがなるポイントです。

と、これは各コードの押さえ方。
ではここから本格的にCAGEDシステムについて触れていきます。

Cコードの場合

CAGEDシステムは[この世に存在するコードはこのCAGEDのコードの派生である。そしてその考え方を「CAGEDシステム」と言う]と言いましたが、実際には
ギターの指板をCAGEDの5つポジションに分けることができる、という考え方の事を言います。

文字で見ても分かりにくいのでここではギターでCのコードを弾きたいとします。
基本的なCのコードを含め、ハイポジションなどでもどのようにCのコードを弾くことができるか指板を見ながら考えて見ます。

 

第1ポジションのCコード

こちらがまず通常のCコード。開放弦も鳴らす所は丸印がついています。

第2ポジションのCコード

次にこちら。同じく5弦がルートですが、開放弦は使わずボイシングが変わっています。

第3ポジションのCコード

次はこちら。実際にはものすっごく押さえにくいので実用性はあまりありません。
あえて使うなら4−6弦がCEGトライアドなので使えなくも無いですが、やっぱりあまり使えそうに無いですね。
理論上は必要なので覚えておくだけ覚えておいてください。

第4ポジションのCコード

これは同じく第3と同じように6弦にルートを置いたハイポジションのCコード。よく使いますね。
最近のJ-POPとかだと「ずっとFっぽい押さえ方で指板を行ったり来たりしてるな」と思ったことはありませんか?大体がこの形です。とても便利なので覚えましょう。

第5ポジションのCコード

4限ルートの第5ポジションですが、こちらも押さえにくいので2〜4弦のみでパワーコード的に使うか、1〜3弦をカッティングで使うパターンはよく見ます。

 

また、この第5パターンより上は第1パターンに戻ります。

12フレットの1,3弦は第1ポジションでいう開放弦の部分です。ギターは12フレットで1オクターブ上になるのであとは同じです。
12フレットを0フレット・ナットと思ってください。

こう見ると見えてくる指板上の仕組み

このように各ハイポジションを見てみると指板上の仕組みが見えてきます。
さて、最初のテーマ「コードはもともと5種類のみ」というテーマに戻ります。

もう気づいているかもしれませんが、例のCのコードのハイポジションの押さえ方とよく知っている普通のCAGEDコードを比べて見ましょう。

第1ポジションとC

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2ポジションとA

 

 

 

 

 

 

 

 

第3ポジションとG

 

 

 

 

 

 

 

 

第4ポジションとE

 

 

 

 

 

 

 

 

第5ポジションとD

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ
その後はCに戻ります。

見比べてみると開放弦のなっている部分も押さえて上げる必要はあるとはいえ、
ハイポジションのCコードといつものCAGEDコードは同じ形であると分かると思います。

つまりは、まとめると・・・

このように指板上にC-A-G-E-DのサイクルでCコードを作ることができるわけです。Dの後はCに戻ります。
(※AとかGとか書いてありますが左手の形のことで、鳴るのはCメジャーです。)

また覚えておいて欲しいのがこのCAGEDも2グループに分けることができ、赤丸がルートなのでよく見てるとCとGは薬指が最低音のルートを押さえています。
また、AとEとDは人差し指が最低音ルートです。

そして基本的に第1ポジションとD以外は人差し指はバレーです。練習頑張りましょう。

 

他のコードの場合

今まではCを基本に考えてきました。では他のコードはどうなんでしょう。

実はとても簡単です。サイクルはCAGEDのまま。つまり弾きたいコードから始めればいいのです。
つまり、Aを弾きたい場合はAGEDC、Eを弾きたいときはEDCAGとサイクルしていきます。

 

Aコードの場合

Eコードの場合

もちろん、EフラットやAシャープを弾きたければ丸々1フレットズラして対応することができます。

 

では「F」と「B」は・・?

なんとなくCAGEDシステムのことが分かってきたと思います。
ではなかなか登場してこなかった「F」と「B」はどうなんでしょう。

なんとなく分かってきたと思いますが、FはEの半音上、BはAの一音上です。
フラットやシャープがそのまま1フレットズラして対応していたように、FはEを半音分、BはAを一音分ズラして作ることができます。

Fコードの場合

Bコードの場合

ここでよく見てみるとそれぞれの第一ポジションは、いつもよく見ているコードと一緒ですね。
つまり、Fは「Eコード」、Bは「Aコード」から派生して作られていたわけですね。

ということでコードはハイポジションも含め5種類でできているというのがわかりました。
しかし、これではメジャーだけ。もちろんコードはメジャーコードだけでなくマイナーやセブンス系やテンションまでたくさんあります。

少し知識がある方なら分かると思いますが、マイナーは3rdの音を半音下げる。他のコードだってメジャーやマイナーに足したり引いたり上げたり下げたり・・・。
しかしこの辺も少しコツというか分かりやすい方法があります。

その辺りは次回から詳しく紹介していきます。

 

 

※この理論は僕が学んできたものを僕なりにアレンジしているものです。他の正式な理論とは少し相違などもあります。

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