ジュンさんと音楽理論

ジュンさんと音楽理論「和声法中級」 6 パッシングディミニッシュ

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登場人物紹介

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ジュン 27歳
音楽理論の講師。
幼少のころからピアノを習っていたが、自分の手が小さいことに悩み
演奏よりも知識を極めようと決心した。

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あーちゃん 17歳
音楽理論を習っている生徒。
中学の時には吹奏楽部。
お父さんはバンドブーム世代で、ベースを始めると言ったらウキウキでベースを買ってくれたらしい。

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ひさし 18歳
音楽理論を習っている生徒。
高校からギターを始めた。最初は先輩からギターを借りていたが、バイトして自分のを買った。

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ひさし
ジャンジャンジャーン
あーちゃん
おはよ!あ!ギター弾いてる!
ひさし
ジャジャーン!ジュン先生にはギターはいらないとは言われたけど、毎日弾いてるんだぜ!
あーちゃん
偉いね!
ひさし
やっぱりギター弾いてるときって楽しいや!

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ジュン先生
ほう。
あーちゃん
先生!おはようございます!
ひさし
お、どうすかオレのギター!!バイトして買ったんす。安物だけど、気に入ってるんですよ!
ジュン先生
どれ、見せてみろ。ほう、悪くないな。ん?これ新品で買ったのか?
ひさし
そうですけど、なんです?
ジュン先生
新品で買ってこのフレットの減り具合か。相当弾いてるだろ。
ひさし
毎日5時間は弾いてますよ!
ジュン先生
5時間もか!どうりで頭が悪いわけだ!でも、これじゃ、たまに音がビビるだろ。
ひさし
へ?よくわかりますね!たまに変な音が出るんですよ。ピックアップもなんだか接触悪いし・・・。
ジュン先生
そうだろ。そうだ、ちょっと2~3日貸してみろ。直してやるよ。
ひさし
マジですか!超うれしいっす!
ジュン先生
ついでにピックアップも変えてやろうか?オレのお古だが、良いのが余ってるぞ。
ひさし
良いんですか!?くださいください!俺もいつか高級なギター買いたいんですよねー
ジュン先生
高級品がいいとも限らないぞ。全然弾かない50万のギターより、毎日弾いてる5万のギターのほうがいい音出すぞ。
ひさし
弾けば音がよくなるんですか?
ジュン先生
腕前の話だよ。まあ、お前のギターは弾きすぎていろいろ消耗してしまってるんだよ。直してやるから2~3日貸しなさい。
ひさし
よろしくお願いしまーす!その間は前に使ってた先輩からもらったやつで練習しよっと!

 

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ジュン先生
さて、今回の音楽理論だが、あの実にくせ者のディミニッシュコードを使った技法だ。

あーちゃん
ディミニッシュって、確か短3度に減5度のコードですよね。
ジュン先生
そうそう。聞いた感じなんとも複雑な音で、使いづらい変なコードだな。しかし、これを有効的に使う方法がある。それが今回教えるパッシングディミニッシュだ。

 

 

 

 

ジュン先生
このパッシングディミニッシュとは一般的にはⅠ→ⅡmやⅣ→Ⅴなどの一段階上がるコード進行の間にⅠ♯dimやⅣ♯dimなど、前のコードの半音上をルートにしたディミニッシュコードを入れる。もともとディミニッシュはすごく不安定感のあるコードだからこうすることによって一度フワっと浮くような感覚というか、進行に深みを出すことができる。

あーちゃん
どんなコードの間に入れてもいいの?

ジュン先生
うーん。まあ、どんなコードに入れてもいいけど、基本的にはこの4パターンかな。

 

Ⅰ→Ⅰ♯dim→Ⅱm

Ⅱ→Ⅱ♯dim→Ⅲm

Ⅳ→Ⅳ♯dim→Ⅴ

Ⅴ→Ⅴ♯dim→Ⅵm

ジュン先生
ちなみに、今は3和音でやってるけど4和音でも同じことだ。♯dim7を入れてもいいよ。そのときは不安定さが増す。

ひさし
ほーん。意外と簡単なんですね。
ジュン先生
うん。そうだよ。ただ単にバシっとディミニッシュを突っ込むだけだからな。しかし、これは実は非常に難しいことをやってるんだ。
ひさし
難しいこと?
ジュン先生
難しいというか、とても工夫されたテクニックって感じかな。ちょっと一番上のⅠ→Ⅰ♯dim→Ⅱmを例にして説明してみよう。

 

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ジュン先生
これがⅠ→Ⅰ♯dim→Ⅱmを楽譜にしたものだ。
あーちゃん
こう見るとルートが半音上がっただけなんですね。
ジュン先生
そうそう。前回も言ったけど音楽では半音差や1音差っていうのがもっともスムーズな音の動きなんだ。これを見るとルートがC→C♯→Dと半音ずつ上がってるから進行としては非常にスムーズなんだ。
ひさし
なるほど、つーことはパッシングディミニッシュはルートを半音ずつ移動させるテクニックなのか。
ジュン先生
いんや、こいつの秘密はそれだけじゃない。
ひさし
へ??
ジュン先生
ディミニッシュ言い換えればm♭5だ。上のC♯ディミニッシュの場合、C♯m♭5だな。このm♭5ってどっかで見たことないか?
あーちゃん
えっと・・。あ!ダイアトニックコードの中のドミナントだ!
ジュン先生
そうそう。そして、これを4和音にして考えてみよう。

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ジュン先生
とまあ、ここまではごく単純だな。さっきあーちゃんが言っていた「ドミナント」なんだけど、確か他のキーのドミナントを借用して進行を作る理論があっただろ。なんだかわかるか?
ひさし
セカンダリードミナント!!
ジュン先生
そうそう。前に教えたセカンダリードミナントだ。しかしセカンダリードミナントは4度下のスリーコード、親コードのドミナントを使うのが基本だったな。この場合m♭5は代理コードのドミナントに当たる。本来セカンダリードミナントでⅠ→Ⅱmの間に入れるとしたらⅡの4度下のⅥ、つまりキーCならA7が入るはずだろ。

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ジュン先生
そしてこのC♯dimのコードと1オクターブ下に入れ替えたA7のコードを比べてみようか

dim11

ひさし
おお!ほとんど一緒だ!
ジュン先生
そう、そしてA7のルートはAだが、これを分数コードを使ってC♯にすると・・

dim6
ジュン先生
と、まあまったく一緒になるってわけだ。つまり、パッシングディミニッシュは「セカンダリードミナント」と「分数コード」を同時に使うテクニックってわけだ。「セカンダリードミナント」の強進行、ドミナントモーションと、分数コードによるルート音の半音ずつ動かすルートモーション。これを同時に使ってしまうという良いとこ取りの音楽理論なんだ。

ひさし
はへー。すっごいなー。さてさて、これで俺もディミニッシュマスターだな。
ジュン先生
ふっふっふ。ディミニッシュの実力はこんなもんじゃないのだ。
ひさし
なんだって!
ジュン先生
オレもディミニッシュは大好きなんだ。その理由が奥が深いからなのだ。まだまだ秘密がある。この楽譜を見てほしい

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ひさし
4つのディミニッシュコードすね。こんなん並べてどうするんですか?
ジュン先生
本当に4つかな?これを高さを変えたり、異名同音を変えたりして移動してみるぞ。

 

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ひさし
同じだ!全部同じですよ!ジュンさん!
ジュン先生
うるせーな!だろ!実は一緒なんだ。ディミニッシュは2音飛ばし、3半音上の音を積み重ねて構成されるんだ。するとオクターブ内は12半音だから3パターンのディミニッシュコードしかないんだ。つまり、「C#dim=Edim=Gdim=B♭dim」「Cdim=E♭dim=G♭dim=Adim」「Bdim=Ddim=Fdim=G#dim」の3つしかないんだ。高さは違えどどれを弾いても同じってわけだね。

 

 

あーちゃん
上昇するパッシングディミニッシュはわかりましたけど、下降するものってないんですか?
ジュン先生
これが不思議なことに下降させるとなんだか妙な響きになってしまうんだな。使いどころも難しいんであまり見ないな。まあ、どうしてもっていうならⅣ#dim→Ⅳぐらいかな。これも難しいっちゃ難しいんだけどね。

 

ジュン先生
ま、とりあえず今は上昇するときに使うと理解しておきなさい。
あーちゃん
はーい、わかりました!
ジュン先生
では、次回はオレがとても苦手な分野だ。それは「禁則進行」の利用についてだ。
ひさし
禁則進行?使っちゃダメなコードのこと?
ジュン先生
そうだ。音楽理論のルールを”あえて”破るテクニックだ。オレはこれが本当に苦手なんだよ・・。
ひさし
ジュンさんにも苦手なものあるんですね。
ジュン先生
当たり前だよ。誰だって苦手なもんはあるんだから。それを違うものでカバーするといいんだよ。まあ、そのためにも勉強を頑張りなさい!
あーちゃん
はーい!
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