ジュンさんと音楽理論

ジュンさんと音楽理論「和声法中級」 3 セカンダリードミナント

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登場人物紹介

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ジュン 27歳
音楽理論の講師。編曲家。
音楽理論に関しては実力派。
師匠がジャズ・ピアニストで地獄のように鍛えられた。

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あーちゃん 17歳
音楽理論を学んでいる生徒。ベースを弾いてる軽音楽部員。
将来は幼稚園の先生になりたいと考えている。
短大への進学を希望している。

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ひさし 18歳
音楽理論を学んでいる生徒。ロックバンドを組んでいてギターを担当している。
将来、音楽で食べていきたいため音楽の専門学校へ進学しようとしていたら、お先真っ暗だからよせとジュン先生に反対された。

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ひさし
うーん・・・

あーちゃん
どうしたの?珍しく悩んじゃって・・

ひさし
あーちゃん、進路の事とか決めてる?

あーちゃん
私は幼稚園の先生になりたいから短大に行こうかと思ってるけど・・。ひさしは?

ひさし
俺ってさ、音楽しかできないから音楽の専門学校でも行こうかなーって。

あーちゃん
音楽の専門学校かぁ。

ひさし
うん、そうしようかなーって。


ジュン先生
無駄だ。よせ。

ひさし
え!なんで!?俺音楽しか出来ることないっすよ。俺もプロになりたい!

ジュン先生
音楽だってたいして出来てない。

ひさし
うええ。うえええ。

あーちゃん
無駄なんですか?何かプロ養成所ってイメージありますけど・・

ジュン先生
んー、言っちゃ悪いが無駄だよ。音楽の専門学校を出ようが出まいがプロに成れるのは一握りだ。もし音楽関連の仕事に就きたいなら普通の大学を出て音楽関連の企業に就職を目指したほうが良い。

ひさし
じゃあ、音楽の専門学校って何を教えてるんですか?!

ジュン先生
オレだって言ったわけじゃないから知らないが、子供の音楽教室みたいなもんとは聞いたことあるな。超基礎、レベルの低い部分を教わって終わり。大体2年やそこらで音楽なんかたいして学べるはずもないしな。

ひさし
子供・・・

ジュン先生
とにかく、別に音大や専門学校を卒業しなくたってプロにはなれる。本業で違う事やっていてもプロにはなれる。実力と努力だな。少なくとも知識に関しては音楽の専門学校を卒業したほどの物ならオレが教えてやれる。しかもタダでな。学業は学業として別に頑張りなさい。

ひさし
うーん・・・。


 

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ジュン先生
さ、気を取り直して今日の講義だ。今お前たちが曲を作ろうと思ったら「3コード」「代理コード」「セブンスコード」「三和音」しか使えない。もちろん作曲をするうえでもっともっとたくさんのコードを使えた方が幅は広がるな。しかしやみくもにコードを入れるわけにもいかない。そこで手持ちのコードを増やしていこうと思う。今日は「セカンダリードミナント」についてだ。

あーちゃん
はい!頑張ります!

ジュン先生
ではドミナントは前に教えたな。なんだ?

ひさし
3コードの一つです!ドミナントは「不安定・緊張」の機能を持つコードでトニックへ進み「解決」する性質があります!キーがCの時で言うGがそうです!

ジュン先生
おお、意外にしっかり覚えてるじゃないか。見直した。

ひさし
俺、音楽以外にできることないんで。

ジュン先生
だから音楽だって大してできていないって言ってるだろ。

ひさし
うええ。うえええ。。

ジュン先生
いい加減、それ止めろっての。


ジュン先生
そう、ドミナント、ダイアトニックコードでいうⅤのコードだが、これは強烈に不安定なためトニックへ進みたがる性質を持つ。ドミナントからトニックへ進むことを「ドミナントモーション」と呼びもっとも進行感の強いコード進行だ。これをほかのコードにも応用することができる。それがセカンダリードミナントだ。今回は4和音のダイアトニックコードを使っていこうと思う。これを見なさい。


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あーちゃん
4和音のダイアトニックコードですね。

ジュン先生
このV7に注目してほしい。このようにドミナントのⅤにセブンスが付いたものは「ドミナントセブンス」と呼び、ドミナントモーションの力が強く働くんだ。

ジュン先生
ちなみにドミナントモーションの定義なんだが、ドミナントからトニックへと進む「強進行」をドミナントモーションと言う。「強進行」とは4度上のコードに進む最も自然な進行の事を言う。ちなみにⅠM7からⅣM7、親コードのトニックからサブドミナントへ移る進行も強進行だ。

ひさし
なるほど。

ジュン先生
つまりドミナントモーションはコード進行の中で最も自然で、最も進行感の強いコードの流れ、というわけだ。では、なぜ強い進行感を持つのかまず説明しよう。


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ジュン先生
これはドミナントモーションであるG7→CM7を楽譜にしたものだ。

ジュン先生
そこで、ドミナントセブンスであるG7に注目すると、これには「シ」が含まれている。これはキーである「C」に含まれる「ド」と半音差だな。

ひさし
ふむふむ

ジュン先生
この半音差の「シ」って言うのは「ド」に進みたがる性質がある。これがドミナントがトニックへ進む性質の原因というか本質なんだ。こういった音を「導音」と呼ぶ。


ジュン先生
このスムーズかつ進行感の強い進行をドミナント→トニック以外の進行でも利用してやろうってのがセカンダリードミナントだ。例を出して説明していこう。


 

CM7→Dm7→G7→CM7



 

ジュン先生
こういったコード進行があるとする。単純なトニックサブドミナントドミナントのケーデンスだな。これにセカンダリードミナントを入れていこう。


ジュン先生
まずG7→CM7はすでにドミナントモーションとなっている。だから強い進行感を持つので特に変える必要はないな。そこでCM7→Dm7のところに注目してみよう。これはトニック→サブドミナントの進行の為、進行感はそこまで強くはない。だったら進行感の強い強進行をぶち込んでやればいいって話だ。「強進行」とは4度上のコードに進む最も自然な進行の事だから4度下の音を入れてやればいいんだ。するとDの4度下はAだから、こうなる。


CM7→「A7」→Dm7→G7→CM7



 

あーちゃん
あれ?A7ってダイアトニックコードだとAm7になるはずなんじゃ・・?

ジュン先生
セカンダリードミナントに関しては他のキーのダイアトニックコードから借りてきた「ドミナントセブンス」を使う。1度、3度、5度、短7度の4和音だな。そうすることによって導音が生まれ進行感が強くなる。これで「A7」→Dm7の部分にもドミナントモーションが生まれるんだ。ちなみにA7の機能はダイアトニックコードのAmと同じトニックになる。


 

ジュン先生
セカンダリードミナントの名前の由来だが、これはそもそもダイアトニックコードに由来していて、キーがCの時、トニックであるCM7の4度下がG7、つまりドミナントだ。実はさっきの例でいうA7はキーがDの時のトニックDM7の4度下のA7のドミナントセブンスを一時的に借用したものになるんだ。メジャーマイナーは無視してしまって構わないが、A7→Dm7(本来ならばA7→DM7)の進行は結局はダイアトニックコードの中での動きであり、何もおかしくないスムーズな動きとなる。つまりセカンダリードミナントは「他のキーのドミナントを借りてきてしまおう」というテクニックなんだ。


 

ジュン先生
じゃあ練習だ。G7の前にもセカンダリードミナントを作ってみなさい。

ひさし
セカンダリードミナントにするには4度下だから・・・Dか。メジャーマイナーは無視してドミナントセブンスに変えるんだから短7度を足して・・・

あーちゃん
D7!

ひさし
ああ!言おうと思ってたところなのに!

ジュン先生
正解。CM7→「A7」→Dm7→「D7」→G7→CM7というコード進行が出来上がったな。




ジュン先生
なんかコードの移り変わりが6コで気持ち悪いからきれいに整えよう。


CM7 →「C7」⇒「FM7」→「A7」⇒「Dm7」→「D7」⇒ G7 → CM7



ジュン先生
CM7とA7の間にサブドミナント、そしてそれに移るセカンダリードミナントをいれた。⇒は全てセカンダリードミナントだ。これでもかって言うほどセカンダリードミナントを使ったケーデンスだな。なんとなくグイグイ進んでいく感じがでているだろ。


ジュン先生
ちなみに、D7からG7に移るとき、さっきの進行だと音程を下に取っているが、オクターブ上のG7を使い4度上に動くのを意識してやるとよりキレイになる。まあ、これは曲によってだから必ずそうしろと言うわけではないけどな。ちょっとやってみようか。



ジュン先生
ちなみにG7はもともとドミナントだな。そこに更にセカンダリードミナントを利用してドミナントをくっつけることをダブルドミナントやドッペルドミナントと言ったりもする。一応そういう呼び方するんだと知っておくように。


ジュン先生
ちょっとしたおまけにセカンダリードミナントの一覧表をあげよう。


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ジュン先生
このセカンダリードミナントは、曲にもっと進行感が欲しい。スムーズな流れや時間の流れ、コードのつながりが欲しい時などに使える。オレもこのセカンダリードミナントがとても良く使うし、誰かの曲を聴いたときにセカンダリードミナントを使ってると「こいつ、やるな。」と思うな。そうなるためにもしっかり理解してセカンダリードミナントを自分の物にするように!

あーちゃん
はーい頑張ります!

ひさし
よーしこれで俺もプロへの階段をまた一つ上ったな。

ジュン先生
まだ言ってるのか!お前ちょっと来い!分からせてやる!

ひさし
ひえー!


 

 

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